感染症対策の一環として、手洗いの強化が呼びかけられるようになってから約2年。
私の家では殺菌作用があることで有名な薬用石鹸ミューズを使うようになりました。
しかし、1日に何度も何度も手を洗うことにより、手の乾燥がひどくなってしまい、最近では純粋な水に当たっただけでもヒリヒリと痛む状態になっています。
そこで今回は、薬用石鹸ミューズの成分は何か、そして殺菌効果やお肌に与える影響はあるのかを考察したいと思います。
薬用石鹸ミューズの成分は?体にどんな効果がある?
まず、薬用石鹸ミューズには3つの効果があり、それぞれの効果をもたらす成分をご紹介します。
皮膚を菌から守る
1つ目は皮膚を菌から守る効果で、イソプロピルメチルフェノールという殺菌成分によって行われます。
この成分は皮膚の殺菌はもちろん、除菌と消毒も行うので、手指の隅々までしっかり清潔に保つことができるのです。
洗い上がりをすっきりさせる
2つ目は、泡立ちを良くして洗い上がりをすっきりさせる効果で、次の3つの成分によってもたらされます。
- ビタミンC誘導体
- ヒアルロン酸
- グレープフルーツ抽出成分もしくは緑茶抽出成分
これらは手を洗った後もかさつかないように、保湿をする役割も担っているようです。
体臭・汗臭の予防
そして、3つ目は体臭や汗のにおいを予防する効果です。
この効果は前述に述べたイソプロピルメチルフェノールにも含まれていますが、この他に5つの成分からももたらされています。
- 石けん用素地
- パーム核油脂肪酸
- 酸化チタン
- エデト酸塩
- 香料
ワキや耳の後ろなどの皮脂がたまりやすい部分も、水かぬるま湯で温めたミューズで洗浄してすすげば、匂いの元を消してくれます。
体臭や汗臭だけでなく、ニキビを予防する効果もあるようですよ。
薬用石鹸ミューズの殺菌効果は?お肌に優しい?
でも、イソプロピルメチルフェノールという殺菌成分が入っているとはいえ、短時間の手洗いで手指が清潔に保たれるわけではありません。
むしろ、いい加減にササっと洗っただけでは、皮膚に常に存在する細菌(皮膚の常在菌)は落ちたとしても、周囲の環境から皮膚表面に付着した菌(通過菌)は手指に残ってしまいます。
ですから、手洗いを強化して感染症対策を行うのであれば、薬用石鹸ミューズで洗うことにこだわるよりも、手首・手のひら・手の甲・手指まで時間をかけてしっかりと洗う方が効果的なようです。
また、香料となるエデト酸塩や、台所用洗剤に使われている界面活性剤(POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム)、黄203という合成着色料が含まれているので、普通の石鹸のようにお肌に優しいとはいえません。
そのため、私のように敏感肌で、化学物質によるアレルギーが懸念される場合は、動植物の油脂から作られた本物の石鹸で時間をかけて手洗いする方が良さそうですね。
さらに、殺菌もできて体臭も予防できるなら、お風呂で体全体を洗う際にも使いたくなりますが、薬用石鹸ミューズは色々な物に触るリスクの多い手指を消毒する目的で使う物です。
なので、外から帰宅した後に薬用石鹸ミューズで手を洗うことによって外部からの病原菌のシャットアウトはできますが、体全体を洗うと殺菌しすぎになります。
その結果、皮膚の常在菌を殺してしまい、皮膚障害やアレルギーなどの疾患を引き起こす可能性もあるので、入浴時は本物の石鹸を使うように注意しましょう。
まとめ
殺菌効果があり、製品名に「石鹸」という言葉が含まれているので、薬用石鹸ミューズも本物の石鹸だと誤解していました。
しかし、ここでの「石鹸」は「洗剤の一種」という意味で使われているだけなので、本物の石鹸と同じように使うと界面活性剤や香料によって肌がヒリヒリしたのですね。
「幅広いバイ菌に効く」という宣伝文句だけに流されず、自分に合った石鹸を選びましょう。
そして、幼い頃に習った手洗いの仕方を思い出し、基本通りに手を洗って感染症対策に努めましょう。