雲一つない青空の中、自転車での買い物を済ませ、さぁ帰ろうと空を見上げると、いつの間にか空には分厚い雲がかかり、ポタッと水滴が頬をつたう。
ほどなくして、バケツをひっくり返したような激しい雨が地面を打ち付け、とても自転車に乗り続けられる状況ではありません。
このような突然の激しい雨で痛い目に合ったことはありませんか?私は何度か経験しています…。
ゲリラ豪雨とは、予測が困難な、積乱雲の発生による突発的で局地的な豪雨を指して使われる言葉です。
予測困難な豪雨を、どこでも神出鬼没なゲリラに例えているのですね。
さてこのゲリラ豪雨について、巷では地球温暖化が原因なのではないか、と議論されることが多いのですが、本当に地球温暖化と関係しているのでしょうか?
結論から言えば、地球温暖化が関係しているといっていいでしょう。
今回はそんなゲリラ豪雨について、地球温暖化との関係、ゲリラ豪雨の起こりやすい場所や発生条件について調査してみました。
ゲリラ豪雨が地球温暖化によって雨量が増加傾向になっている!?
ゲリラ豪雨に関する地球温暖化の影響については、2020年9月に気象庁気象研究所他専門家チームが、最新の数値シミュレーションを使って計測しました。
具体的には、平成29年7月九州北部豪雨及び平成30年7月豪雨に相当する大雨の発生確率に地球温暖化が与えた影響を定量的に評価することを初めて可能にしたそうです。
そしてこの調査では、上記2事例における大雨の発生確率は、地球温暖化の影響がなかったと仮定した場合と比較して、それぞれ約1.5倍および約3.3倍になっていたことが報告されました。
つまり、地球温暖化の影響は確実に豪雨の原因となっており、このまま温暖化が進めば、ますます雨量の増加が予想されるということですね。
以前は、なんでも地球温暖化と結び付けるべきではない、と言った意見もあったようですが、このように数字的な裏付けを伴った結果が報告されたことにより、現在は地球温暖化がゲリラ豪雨の少なくとも一因であることが認められています。
ゲリラ豪雨の起こりやすい場所って分かる?発生条件など…
今後ますます温暖化の防止に取り組む必要があるとしても、個人の力だけではなかなか難しいですよね。
まずは、ゲリラ豪雨の被害にあわないように一人ひとり注意することが重要です。
では、どのような場所でどんな時に発生しやすいのでしょう。
先にも触れましたが、ゲリラ豪雨は突然の積乱雲の発生によって起こります。
積乱雲は大気の状態が不安定だと出来やすい雲で、上空と地上の温度差が大きく、上昇気流が引き起こされやすい場所で発生しやすくなります。
そして、このような条件に合致する場所とは、東京などの都市部ということになります。
都市部では、ほとんどの道路が舗装されており、アスファルトによる太陽の照り返しが厳しいので気温が上昇しやすくなります。
さらに、自然が少ないうえに高層ビルに囲まれているため、熱くなった空気は逃げ場がなくなります。
この空気が上空へと一気に上ることによって強い上昇気流となり、積乱雲を発生させるのです。
そのため、日中に暑ければ暑いほど地上と上空との温度差は大きくなり、ゲリラ豪雨の危険性が高まることになります。
このように、地上と上空の温度差が大きなポイントになってくるため、通常は午前よりも午後の方がゲリラ豪雨の危険性は高まるということになりますね。
まとめ
以上、ゲリラ豪雨と地球温暖化の関係、さらにゲリラ豪雨の発生しやすい場所や条件についてご紹介してきました。
ひとりひとりが地球温暖化を防止する意識を持ち、これ以上ゲリラ豪雨が増えないような世界になってほしいものですね。