夏がやってくるとしばしば耳にするのが、「早明浦ダムの1次取水制限」。
これは高知県の早明浦ダムの貯水率低下に伴い、香川用水への供給量を20%削減することを意味します。
早明浦ダム周辺は6月以降、雨が少ない状況になることが多く、今年も7月14日時点で65.4%と、平年値を20ポイントほ下回ったことから行われたようです。
この制限が始まると、水道水が出なくなるという訳ではありませんが、県民には節水が呼びかけられます。
たとえば「シャワーを浴びるときは蛇口をこまめに止める」、「お風呂の残り湯を次の日の洗濯に使う」などといった、家庭内の身近なところで水を大切にすることが求められますね。
また県庁内の約130カ所のトイレでは、洗面所の水圧を普段の半分程度下げる作業も行われるようです。
台風9号がもたらした降雨により、この取水制限は8月9日に解除されていますが、今後も雨の降らない状況が続いた場合、早ければ今月14日の午前9時から第2次取水制限が始まるようです。
そこで今回は第2次取水制限によって生活にはどんな影響があるのか、さらに早明浦ダムの底には何があるのかを調べてみました。
早明浦ダムの2次取水制限とは…私生活においての影響は⁉
まず、2時取水制限は貯水率が45%程度になることが見込まれたときに行われます。
これに伴い、香川県では水の供給量の削減割合が1次取水制限の20%から35%に引き上げられます。
そのため、香川県庁では本館・東館・北館の全フロアにある61カ所の水道の蛇口が、職員によってテープで固定されて使えなくなります。
また、高松市の一般家庭にも止水栓を半分ほど閉めて節水してもらう自主減圧が呼びかけられます。
私の夫は高松の学生寮で生活していた経験があり、このときの状況を尋ねてみたのですが、水道から出る水の量は少なく、生活する上で不便なことはたくさんあったようでした。
たとえばお風呂。
暑い時期なので活動後にシャワーを浴びたいと思っても、水圧が下がっているのでしっかりと汗を流すことはできません。
だからといって銭湯に行くことを試みても、営業していなかったので困ったとのことでした。
洗濯も寮では使える洗濯機の台数が制限されていたため、毎日できないことはもちろん、
こちらも水圧が下がっていたので衣類の汚れをしっかりと落とすことができなかったそうです。
さらに工夫が必要だったのは食事。
食器を洗うことはこびりついた食材を水で流す行為や、洗剤でこすった後にすすぐ動作が必要なため、たくさんの水を使いますよね?
ですから水のムダ遣いをしないように、紙で作られた使い捨ての食器を使用していたようです。
早明浦ダムの底には建物がある?大渇水時に見える幻とは⁉
では貯水率がさらに下がって大渇水が起こってしまったら、底から何かが見えてくるのか気になりますよね?
実は現在早明浦ダムがある場所には、かつて高知県大川村の集落がありました。
ですから早明浦ダムの水が干上がってしまうと、底から高知県大川村のかつての役場庁舎で会った3階建ての建物が顔を出すのです。
この役場の付近には川を土のうでせき止めたのか、天然のとろ場だったのかは不明ですが、子供たちが水遊びをするのにもってこいの場所があり、プールのない山村では大変喜ばれていたようです。
そのため、ダム建設時には激しい反対運動が行われていたのだとか。
そしてダムが完成されると、やはりかつての村役場は水没してしまいました。
今ではこの建物の姿が見えるか見えないかが、ダムの水量を知る目安となっているそうです。
まとめ
子供たちが楽しく遊んでいた場所が、ダムの建設によってなくなってしまったのは大変残念に思います。
しかし、今もその建物がダムの水量を知る目安となっていると言うことは、「水を大切に使ってね」というメッセージを当時の子供たちが私たちに送ってくれているのかもしれません。
「お風呂のお湯を溜めすぎて大量にあふれさせない」、「1回でできる洗濯を2回に分けてしない」など、自分にできる小さなことから水のムダ遣いを控える行動に勤めましょう。