視覚障害者の歩行を助けるものといえば、白杖・点字ブロック・音声信号などが有名です。
とはいえ、点字ブロックの整備が追いついていない道も多いことや、近隣住民のことを考慮して信号の音声ボリュームが下げられていることなどにより、安全な歩行が困難な日々はまだまだ続いているのが現状です。
ところが最近、靴に装着して視覚障害者をナビしてくれる「あしらせ」の開発が見込まれているようです。
そこで今回、先天性の視覚障害を持った私が、歩行を困難に感じているあなたのために、この「あしらせ」の仕組みと発売日を調べてみました。
靴に取付けしてナビゲーションする仕組みとは⁉
始めに、私たち視覚障害者は点字ブロックのない場所や信号の音声が聞こえにくい場所にいると、自分の向いている方向に対してどの角度に進めば良いかを認識しづらいですよね?
そんなときに、「あしらせ」を靴の中に装着すると、足の甲や側面部分が振動します。
そして、振動した機器の位置や振動のテンポによって、「右に曲がる」、「左に曲がる」などを判断できるのです。
「機械を靴に装着するのなら専用のくつがいるんじゃないの?」と、感じるかもしれませんが、そんな心配はご無用!
普段履いている靴など、どんな靴にも装着でき、装着したままで脱ぎ履きすることも可能です。
さらに柔らかく、形状を保てる素材なので、装着しているときの違和感もないようです。
これまで私は足場が分からなくならないように、歩く際には底の薄い靴を履くように心がけていたのですが、「あしらせ」を使えば履ける靴も増えそうですね。
また、同じ視覚障害者の友人には携帯電話の音声ナビを使って歩いている人が増えましたが、誘導を聞くことに気をとられて周囲の音を聞き逃しそうなので、私自身はナビに対して少し恐怖感がありました。
でも、「あしらせ」なら周囲の安全を確保しながら安心して歩けそうな気がしています。
ただ、この機器はスマートフォンのアプリと連動する物で、アプリで目的地を設定して位置情報と足下の動作を組み合わせて案内します。
つまり、Bluetoothで接続して使う機器となるため、スマートフォンを持っていなければ利用できません。
ですから、視覚障害者の中にはガラケイの方が使いやすい人もいるのに、そういったひとが使えないというのは大きなデメリットだと感じます。
靴に装着してナビしてくれるあしらせの発売はいつころ?
発売は2022年度中を目処とされています。
しかし、人がたくさん集まる場所にはビルやかべがあり、電波を受信しにくくなることも課題として残っています。
これに対しては現在組み込まれているセンサーだけでなく、他のセンサー情報も組み合わせながら、開発を次のステップへと進めていくようです。
そして最終的には、「点字ブロックのように多くの人の助けになる」ということが、目標とされています。
また、仮に2022年に発売されたとしても、発売してすぐに日常生活用具として申請できない物も多く、欲しいと思ってもすぐに買えない場合があります。
ですから、視覚障害者みんなが安全に歩けるよう、視覚障害者なら誰もが簡単に購入できるようにすることも、発売前の重要な課題だと思います。
まとめ
なかなか目的地にたどり着かなかったり、間違って車道を歩いていたりすると、視覚障害者はそれらがトラウマになって歩行を諦めてしまいがち。
でも、この「あしらせ」があれば、視覚障害者も安心して楽しく歩くことができそうですね。
私も未知の場所へ行く際には曲がり角が分からなくてとまどっていますが、「あしらせ」を装着して自由に歩き、自力で行ける場所をどんどん開拓していきたいです。
もしあなたも購入しようと思うなら、ガラケイからスマートフォンに機種変更することも忘れないでくださいね。