2022年度を目処に小学校の高学年を中心に教科担任制を導入することが決まりました。
中学校のようにすべての教科で実施されるわけではなく、今まで通りのクラス担任制の中で専門性の高い教科だけ専門の先生が担当するという形です。
一般的には外国語・理科・算数・体育が考えられます。
今のところ専門の教員を入れるのか担任の教員が教科により交代するのかは決まりがなく、すでに導入している地域でもやり方は色々あるようです。
教科担任制の導入により専門性の高い教科の勉強をより進めやすくなることや、中学校と小学校のシステムの差によるいわゆる「中一ギャップ」を和らげることが期待されています。
小学校の教科担任制のメリットとデメリットが知りたい
教科担任制導入で考えられるメリット・デメリットです。
メリット
・色んな先生との接点ができる
・複数の先生がみることで子供を多面的に評価できる
・授業内容の向上
・クラスごとの差が減る
・先生の負担が減らせる
デメリット
・先生たちのスケジュール管理
・人員確保が難しい
・担任の目が届かない時間が増えて子供の変化に気付きにくい
・小規模学校での難しさ
メリットをみていくと教員にとっても子供にとっても良い事という印象です。
教員の働き方改革は以前から話題になっていましたが、なかなか難しいようでしたので、導入により進めば現場に余裕が生まれるのではないでしょうか。
子供を見るうえで余裕はとても大切です。
子供にとっても先生と相性が合わない等あった場合、色々な先生が関わることによって見かたが変わったり、相談しやすくなるという可能性があります。
デメリットに関してはメリットの裏側という面もありますが、どちらかというと社会的な問題のように感じます。
小規模な学校に対するデメリットは逆に小中一貫校に近い学校運営にすれば、メリットに転換できる可能性もあるように思います。
学校の正規職員の規定なども見直しが必要になるかもしれません。
個人的な意見としては、保護者から見ても先生たちは忙しそうなので、教科担任制はどんどん取り入れていく方向で賛成です。
子供が保育園の時に同じクラスに両親とも学校の先生のお子さんがいましたが、行事の少ない園でも行事へ参加することや保護者会への出席は難しそうでした。
先生も自分のお子さんの成長を見たい気持ちはあると思うので、教科担任制の導入で教員の働き方が多様化すれば、辞めざるをえないという人が少しでも減らせるかもしれませんね。
小学校の教科担任制の教員になるにはどうすれば…?
教科担任制の教員も従来通りの方法で教員免許を取得する必要があります。
・大学や短大などで教職課程を履修する
・教員資格認定試験を受ける
・特別免許状の取得
そのうえで公立であれば、教員採用試験を受けることは今までと変わりありません。
ただ本格的に導入されれば、専門の教科担任募集という求人は増えそうです。
現在の制度でも、中高の教科免許で小学校の専門の教科を教えることは可能ですが、文部科学省は小中学校の免許状併有を促しています。
導入にあたって、免許の取得方法について見直しを求める声なども現場からあがっているようなので、導入後に色々検討される可能性はあります。
現状は小学校の教科担任制のみの免許というものは無いので、小学校の教科担任に興味がある場合は、小学校の教員免許と併せて中学校の教科担任の資格も取得しておくほうが、働き方の可能性は広がりそうです。
まとめ
新しいシステムを導入する時は何でもそうですが、大変な思いをする人がいるとは思います。
小学校の教科担任制はうまく導入すれば先生にとっても子供にとっても良い点がいっぱいありそうですし、学校の規模が小さい地域にもデメリットだけではない効果があると思います。
試験的な実施や制度の見直しなどを行って導入は正解だったと思えるようになってほしいですね。