「距離が近いからもう少し後ろに離れなさい。」
私の弟は小さい頃に両親からしょっちゅう言われており、守らなければ「テレビ禁止」なんて厳しいおうちルールもあったものでした。
ところが、生まれたときから視力を失っている私はテレビを音だけで楽しんでいたので、どうして距離が近いことをあんなに怒られていたのかがいまだによく分かっておりません。
そこで今回、テレビとの距離が近いと子供にどんな影響があるのか、また楽しく見られるように適正な距離を保つ対策はないのかを改めて調べてみました。
テレビとの距離で子供に与える影響とは?
まず、テレビとの距離が近いことで子供に与える影響は次の2つです。
睡眠不足
1つ目に、寝る直前までテレビを見ていてなかなか眠れなくなった経験ってありますよね。
これは大人の私たちだけでなく、子供も同じです。
テレビからは強いエネルギーを持った光(ブルーライト)が放たれており、人はこの光を浴びると朝が来たように感じます。
そのため、よる寝る前に近い距離でブルーライトを浴びることによって体内リズムが崩れ、眠れなくなったり睡眠が浅くなったりしてしまうのです。
とくに5歳の子供の場合は11~13時間の睡眠が必要で、睡眠不足は眠気で注意力が散漫と他、けがにも繋がるのでとても危険です。
疲れ目による視力の低下
2つ目に、夢中でテレビを見ているとまばたきの回数が少なくなり、目が疲れてしまいます。
この疲れ目の状態が長く続くと、視力の低下を引き起こしてしまうのです。
とくに見るものと目の距離が近ければ近いほど疲れ目による視力低下は起こりやすいので、テレビとの距離は30センチ以上取ることが大切です。
テレビとの適正な距離を保つ対策は?
では、この30センチ以上の適正な距離を保って、楽しくテレビを見るための対策を3つご紹介しましょう。
部屋に適したテレビの設置
1つ目はテレビを設置する部屋によってサイズと距離を考えることです。
広い部屋ならテレビとの距離を確保しやすいので、大きいテレビを選んでも問題ありませんが、狭い部屋に大きいテレビを設置すると、30センチ以上の距離をとれるだけのスペースが確保できなくなります。
ですから、部屋が狭いのであれば、その部屋に合ったサイズのテレビを選ぶように注意しましょう。
ちなみに私の家では広い居間に1台大きなテレビを設置していましたが、狭い子供部屋では距離の調節が難しいので、テレビの設置はしていませんでしたね。
4Kテレビの使用
2つ目は、画素数の高い4Kテレビを選ぶことです。
なぜなら、画素数が高いほど映像がきれいに見えるので、見る距離が近いほどワイドで迫力のある映像が楽しめるからです。
植物が育つ様子や小さな虫の映像など、大量の情報も見やすくなるので、テレビから知らない世界に触れることの多い子供たちには適していそうですね。
おうちルールを作る
そして3つ目に、子供とテレビの距離が近いことで悩む原因は、「いつの間にか子供が近づいている」ということです。
そのため、テレビとの距離を強制的に取るよう、おうちルールを作ることも必要です。
たとえば「近づいたら消す」、「親と一緒に見る」といったルールであれば、親が子供を野放しにする危険はなく安心ですね。
私の家も居間にテレビがあったので、見るときは常に親の目がありました。
また居間にはソファーが置いてあり、「ソファーに座らないとテレビはつけない」というルールもありましたね。
部屋にソファーや椅子を設置するスペースがないのであれば、テレビの近くに他の場所とは異なる手触りの絨毯を敷き、「この絨毯より後ろで見る」という目印を作ることも有効な手段だと思いますよ。
まとめ
視力の低下や疲れ目・睡眠不足は子供の健康を害してしまう可能性があるので、テレビとの距離を保つように注意することはとても重要です。
でも「離れなさい」と頭ごなしに怒るだけだと、子供の心には「怒られた」という嫌なことしか残りません。
部屋の広さや見え方などを考えながらテレビを選んだ上で、どうして離れてみなければならないのかを、子供にわかりやすい言葉で根気よく説明するように心がけましょう。