「年始に年賀状を送ることは季節の礼儀の1つ」と考え、毎年欠かさず準備をしている人は多いと思います。
しかし、時代が変るとともに礼儀という常識も変化しており、最近では年賀状を書くのはいい人、書かないのは失礼な人ということで付き合い方が変るわけでもないようです。
そこで今回は、年賀状を出さない人の割合と、出さない主義者となった人の心理を考察してみました。
年賀状を出さない人の割合は?
初めに、年賀状を出さない人の割合を20代から60代に分けてリサーチすると、年代によってかなりの差があり、具体的には次のような結果となりました。
- 20代=50%
- 30代=6%
- 40代=5%
- 50代=5%
- 60代=10.9%
このことから、メールやLINE・SNSの普及により、とくに若い人を中心に、あえて年賀状で近況や挨拶を送る重要性は低くなっていることがわかりますね。
たしかに私も30代ですが、学生時代の友達や前の会社の同僚などのような親しく会っていない人たちでも、Twitterなどでつながっていればいつも会っているようなものです。
だからお互いに近況も知っているし、改めて時候の挨拶をする方が回りくどくて重複感を覚えるのではないかと思います。
ところが、電話と手紙しか伝達手段がなかった時代を経験している年配者はSNSやメールをやっておらず、年賀状を出すのはいまだに「常識」と考えている人もいるようです。
また、SNSやメールをやっていたとしても、昔ながらの礼儀や日本の良き伝統を大切にする人や、上下関係を重んじる人たちの中には、「メールやsnsだけで済ませるのは物足りないし失礼」という考えの方も多いようですよ。
年賀状を出さない主義者の考え方は?失礼にならない⁉
とはいえ、私も社会人になってからはメールとLINEで新年の挨拶を行うようになり、年賀状のやりとりを行っている人は一人もおりません。
でも、これが失礼に当たるのかというと、実はそうとも限らないのです。
なぜなら、送る側ももらう側もそれぞれに事情があり、お互いの人間関係にとって年賀状のやりとりは特段ポジティブな影響をもたらさないからです。
・送る側の事情
まず、送る側の事情としては時間と手間を要するのが大きな欠点です。
交友関係が広くてたくさん送らなければならない場合は、1か月ほど前には葉書を注文しなければなりませんし、私のように視覚障害がある場合、手書きのものを送るのであれば誰かの代筆が必要になるので、自分の都合の良い時間にいつでも書けるというわけでもありません。
さらに、自分が送らなかった人から届いたら返事を書かなければなりませんし、その年賀状も全部が元日に届くわけではないので、2日・3日になっても返事を書き続けなければなりませんよね。
ですから、ここに膨大な時間と手間がかかってしまうのです。
・もらう側の事情
一方、飲食店や救急病棟など、年末もお正月も関係なく働いている人にとっては、こちらは礼儀のつもりで年賀状を送っても、かえってそれが気配りの押しつけに感じられるかもしれません。
なぜなら、忙しいところに「返事を書く」という負担をかけさせてしまうことになるからです。
仮に「返事はいらないよ」と言われたとしても、やはりもらうと「返さなければ」という心理的負担はかかるもの。
ならば、そういう相手にはLINEやメールで挨拶を送った方が、時間も手間も省けて気配りになりそうですね。
まとめ
実際、人との付き合いは年賀状とは無関係ですので、お互いの信頼関係がしっかりと構築されていれば、年賀状を送ってこないからと言って付き合う・付き合わないが左右されることはありません。
しかし、礼儀や常識はそれぞれが生きてきた時代によって異なりますし、年賀状に関しては年代や職業だけでなく、一人一人が持っている価値観によっても考え方は千差万別です。
そのため、自分の価値観や昔からの習わしということだけで判断するのではなく、相手に会わせて臨機応変に対応できる柔軟さを持つことが大切といえるでしょう。