冬至とは北半球では1年の中で昼間が1番短い日です。
逆に昼間が1番長い日が夏至です。
日本は北半球にあるので昼間が1番短い日になりますが、オーストラリアなどの南半球では逆になります。
二十四節季(にじゅうしせっき)の1つで春分・秋分の日で知られる春分と秋分も二十四節季の1つです。
昔の人は二十四節季をもとにお祭りや農作物の手入れをしていました。冬至はその日を境に日が長くなっていく
ことから「太陽が生まれ変わる日」とされ健康や厄除けを願う日となったようです。
二十四節季は太陽の動きに合わせて1年を24等分して決められているので日付が変動することがあります。
と言われてもピンとこないかもしれませんが、うるう年のようなものと考えてください。
冬至の昔の風習は?どうしていたの?
現代まで続いているカボチャを食べる風習は江戸時代に始まりました。
健康や厄除けを願う日なので縁起がいいとされる食べ物や、太陽が生まれ変わる日ということで体の中をきれいにするような食べ物を食べる習慣ができたようです。
「ん」がつく野菜や果物の盛り合わせをお供えして、来る年の運を願うことを「運盛り(うんもり)」と言うことから、冬至の七種も運盛りですべてに「ん」がつきます。
・なんきん(カボチャ)
・だいこん
・にんじん
・ぎんなん
・きんかん
・かんてん
・うんどん(うどん)
保存がきいて冬でも食べられる物にこんなに「ん」がつく物があることをよく発見しましたよね。
地方によっては冬至に食べる食べ物も少し違うようで、こんにゃくや小豆を食べる習慣があるところもあるようです。
こんにゃくは食物繊維が豊富で整腸作用があるので、体内の老廃物を出すということから冬至に体を清める意味で食べられていたり、小豆は邪気を払う食べ物ということ
から「いとこ煮」や「冬至粥」で食べられています。
土用の丑の日にうなぎを食べるのと同じように、季節の変わり目に栄養のある物を食べて健康を願う日とされていたのですね。
冬至にかぼちゃとゆず湯がなぜいいの?
冬至にお風呂に入るのは冬至(とうじ)と湯治(とうじ)の語呂あわせからきているという説があり、ゆずを使うのはいくつかの理由があるとされています。
ゆずの強い香りは昔から邪気を払うとされていることや、実るまでに長い年月がかかることから苦労が実るようにという願いも込められているようです。
あとは「ゆず」が「ゆうずう」に似ていることから融通がきく、とどこおりなく進むといったダジャレ好きな日本人らしい理由も含まれています。
ゆずには美肌効果や体を温める作用があるそうなので、冬にゆず湯に入るのは厄除けの意味だけではなく、体にも良いことを昔の人は感じていたのでしょう。
カボチャを食べるのも厄除けの意味が大きいですが、保存がきく野菜なので長生きという意味も持っています。
天文学的には太陽が一番南に来る日ということもあり、南がつくカボチャ(南瓜)がふさわしいとも言われています。
まとめ
昔は現代よりも季節に合わせた生活をしていたと想像できます。その中で冬を過ごすことは大変だったでしょう。
昔の人はそれを知恵と前向きさで乗り越えながら健康や安全を願いお祭りや行事が誕生し、さらに時代によって変化しながら現在まで続いてきました。
行事ができた頃からはありえないほどに生活は変化していますが、家族や身近な人が健康で長生きしてほしいという思いは今も変わらずあります。
冬至が現在まで続いているのはそういう気持ちからなのではないでしょうか。
伝統的な食べ方で昔の人の思いを感じるのもいいですし、オシャレなカボチャ料理を考えたりしながら家族や身近な人の健康を願う日とするのもどちらも素敵ですね。