将来的には電気自動車と水素自動車どちらのほうが普及するのか、どちらのほうが優れているのかということは、現時点では判断できません。
それはどちらにも越えなければいけない壁がありますし、どちらにも優れている点があるからです。
電気自動車と水素自動車はどっちが一般に普及するのか
普及の速さで言えば電気自動車のほうが先に普及して、市場の多くを占めると思います。
すでに電気自動車が自動車大手メーカーで製造・販売がされていることに加え、2050年カーボンニュートラルという脱炭素に向けた政府の発表で、基本的にはガソリンを電気に置き換える方針が出されています。
欧州などではハイブリット車も含めたガソリン車の販売自体も禁止することが決まっているので、短期間で多くを置き換えることを考えると電気自動車になるのは必然でしょう。
では何故水素自動車の研究を進めている企業があるかというと、電気自動車が万能ではないからです。
電気自動車は排出される二酸化炭素の排出量はゼロです。
ですが、発電所の発電で二酸化炭素が排出されています。発電所の電力を頼るということは結局完全なゼロではありません。
また電気の供給量が増えた時に電力不足になる可能性もあります。
現在の計算では、数百万台規模で電気自動車が増えると電気の供給が追い付かない可能性があるということが言われています。
水素が出遅れる理由は水素の貯槽・管理・運搬にコストがかかることがあげられます。現状システムでは水素の製造にもコストがかかります。
水素の性質上起こる危険を回避する技術も必要です。
しかし水素はクリーンエネルギーで身近にあるものですし、水素エンジン車はガソリン車の技術を生かせます。
長い目で見た時にどちらが良いのかはまだわからないというのが現状ではないでしょうか。
→「トヨタ 水素自動車 将来性」について書いた新しい記事へのリンク
電気自動車と水素自動車はどちらが環境にやさしい⁉
水素を燃料にする自動車には燃料電池車と水素エンジン車があります。燃料電池車は化学反応を利用して発電をするので電気自動車と同じように二酸化炭素は排出されません。
水素エンジンはガソリン車のガソリンをそのまま水素に置き換えた形で水素そのものをエネルギーにします。
水素は炭素を含まないので、ガソリンのように燃焼させても、二酸化炭素の排出はごくわずかで済みます。
これだけ見ると電気自動車や燃料電池車のほうが環境によさそうですが、電気は結局発電所の発電に頼ることになるので、発電で二酸化炭素を排出していることを考えると二酸化炭素排出量ゼロとは言えません。
日本で考えると電気自動車にした場合の方が30~40%程二酸化炭素を減らせる計算になっていますが、発電方法によって必ずしも同じくらい減らせるとは限りません。
今後、水素の製造が発展しコストが抑えられるようになり、ガソリンスタンドのように気軽に水素が補給できる場所が増やすことができれば、水素は電気以上にクリーンなエネルギーと呼ばれるでしょう。
もしくは研究段階でもっと効率の良いエネルギーが出てくるかもしれません。
現段階で断定することは難しそうです。
まとめ
環境にも良くて安全で安く…という夢のような自動車は、なかなか難しいのかもしれません。
しかし、少しでも良くなるようにと思い、日夜研究を重ねてくださる研究者や企業があるおかげで、私たちの便利な生活が成り立っていると思うと感謝しかありません。
すぐに完璧なものはできないかもしれませんが、歴史を見れば人間はかなりの難題を乗り越えてきています。
車の今ある課題も少しずつ乗り越えていくのでしょう。
車の将来性を考える時は、中長期的な視点と長期的な視点を持って考える必要がありそうです。